data cleansing

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この記事では、データのより効率的な利活用のため、データクレンジングの実施を検討している方へ向けて、データクレンジングとは何かを解説します。DXの導入や推進を検討されている方もぜひ参考にしてください。

マクロセンドは、企業の状況・要望に合わせて、DX導入に欠かせないデータ分析基盤の構築を総合的に支援いたします。

 

データクレンジングやデータプレパレーション基盤の構築にご興味のある方は、下記記事やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

 

データクレンジングとは

データクレンジングとは、ビジネスの意思決定に活用するデータの信頼性を確保するための方法、および一連のプロセスを指します。具体的な手法は、データの種類や形式、利用目的などにより様々ですが、いずれも企業データの一貫性・信頼性・価値の向上などを目的として実施されるものです。

 

データクレンジングのプロセスを整備しないまま収集したデータは、そのままでは使い物にならない汚れたデータであることが多く、データ品質について何かしらの課題を感じている企業も少なくないでしょう。

 

こうした汚れたデータ(=ダーティデータ)を使える状態にするためには、想像以上のコストがかかってしまいます。そのためデータクレンジングは、円滑にDXを導入、推進していく上でかかせないプロセスのひとつでもあります。

 

DXの詳細についてはこちらの記事もご覧ください。

 

 

データクレンジングが必要な理由

データクレンジングが必要な理由は、信頼性の低いデータは、誤った意思決定や不要なコストをもたらす可能性があるためです。

 

信頼性の低いデータとは、不正確なデータや一貫性のないデータなどが挙げられます。

 

たとえば、マーケティングの際に参照したデータが不正確であれば、そのデータをもとに立てられた経営戦略は効果的に機能しません。また、登録された顧客情報に誤りがあったり一貫性がなかったりすれば、顧客に不信感を抱かせてしまい、最悪の場合、顧客を失う可能性すらあります。

 

こうした、企業の意思決定において不利益となるような汚れたデータを、ダーティデータと呼びます。Harvard Business Reviewによれば、基本的な品質基準を満たすデータは3%しかなく、米国企業では毎年3兆ドルを超えるコストがダーティデータによって発生していると推定されています。

 

コストを回避するためには高品質なデータがかかせず、データを高品質に維持するためにはデータクレンジングプロセスが不可欠です。

 

参考:

Only 3% of Companies’ Data Meets Basic Quality Standards|Harvard Business Review

Bad Data Costs the US $3 Trillion Per Year|Harvard Business Review

データクレンジングのメリット

データクレンジングを実施するメリットのうち、代表的なものを紹介します。

 

・業務効率の向上

・コスト削減

・顧客ニーズの把握

・迅速な意思決定

業務効率の向上

データクレンジングによって整理された高品質なデータセットからは、必要な情報を必要なときに迅速に取り出すことができます。

 

データ分析の都度、汚れたデータを修正するといった手間も不要になり、全体的な業務効率の向上が見込めるでしょう。

コスト削減

データクレンジングのプロセスが確立されていれば、汚れたデータの洗浄にかかる時間や人的コストを削減することができます。

 

業務自体のスピードも上がり、正確なデータに基づいてデータ分析ができるようになるため、データや戦略の修正にかかる時間も節減できるでしょう。

顧客ニーズの把握

データクレンジングのプロセスを確立することで、高品質なデータから正しい知見を得ることができ、正確な顧客ニーズの把握につながります。さらに、誤ったデータに基づいてサービスを提供し、顧客の信頼を損なうといったリスクも回避できます。

 

新たなトレンドを確実にとらえられれば、より精度の高いデータ分析が可能になり、効果的な戦略の立案にもつながるでしょう。顧客との継続的なつながりを維持するうえで、有効なプロセスと言えます。

迅速な意思決定

蓄積された高品質なデータは、迅速で効果的な意思決定を後押しします。

 

これまではうまく抽出および関連付けができていなかったデータを扱えるようになることで、より精緻なデータ分析が行え、それに基づいた意思決定が実現する点もメリットと言えるでしょう。

データクレンジングの手順

データクレンジングの手順の一例を紹介します。なお冒頭でも示した通り、データクレンジングの具体的な手法はデータの種類や形式、利用目的などにより様々です。詳細はお問い合わせください。

 

データの収集

まずはクレンジングしたいデータ範囲を定め、必要なデータを抽出します。管理する全データに対してデータクレンジングを実施する場合はあえてデータ範囲を定める必要はありませんが、データ範囲を絞ることでより迅速にデータクレンジングプロセスを確立しやすくなります。

 

一方で、後々データ範囲を拡大する可能性がある場合は、それらも踏まえてデータの修正基準を設定する必要があります。

データの取り込み

範囲を定めて抽出したデータを、ひとつのデータベースにまとめます。ひとつのデータベースにまとめることで、データ同士の不一致や不整合、重複、類似などが発見しやすくなります。

 

特に関連性のあるデータは、データクレンジングを実行する前に目視でも確認しておくことで、クレンジングプロセスを走らせたことによりかえってデータ品質が低下するといった不具合を予防します。

クレンジングの実行

続いて、取り込んだデータを、データの修正基準にもとづいてクレンジングします。データの修正基準とはたとえば、英数字は半角に統一する、株式会社は前株に統一する、電話番号や郵便番号のハイフンは除く、といったものです。

 

まとめた際に生じた重複データなども、基本的にこの段階で削除します。

データの整理

データクレンジングが終わったデータは、利用目的などに応じてリスト化して適切な場所に保存します。

 

どのような用途でクレンジングしたデータを利用するかを想定することで、より扱いやすいデータになります。

データクレンジングの注意点

データクレンジングを導入・実施するうえで注意しておきたいポイントを解説します。

 

定期的に実施すること

データクレンジングは、定期的に行わなければデータ品質が低下してしまいます。

 

データベースに新たに取り込まれたデータに対し、定期的にデータクレンジングを実施しましょう。実施する頻度は、データ量やデータ分析頻度などによって異なります。

目視でチェックすること

データクレンジングしたデータは、最終的に人の目でチェックすることを心がけましょう。特にデータクレンジングツールを使ってデータクレンジングプロセスを自動化する場合、人の目で確認しなければ検出できないエラーが紛れ込む可能性があります。

 

プロセスが安定するまではもちろん、定期的なデータクレンジング実施時にも目視によるチェックをかかさないようにしましょう。

データ分析基盤の構築を支援します

これまでに弊社が蓄積した知見・技術をもとに、データクレンジングプロセスを含めた基盤の構築に関して、お客様に寄り添ったご提案をさせていただきます。

 

DX・データプレパレーション基盤の構築にご興味のある方は、下記記事やお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

 

2021年10月8日