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AIによる画像認識でできることと、AIによる画像認識の活用事例を紹介します。

 

画像認識技術とは

画像認識とは、画像や動画からデータの特徴を導き出し、特定のものを認識するパターン認識技術のことです。

AI×画像認識でできること

AIによる画像認識技術を活用すると、さまざまなことができるようになります。

異常の検知・検出

AIを用いることによって、大量のデータから一定の特徴を抽出し、異常を検知・検出することができます。実際に行われた研究としては、2012年のGoogleの発表が代表的です。

 

研究では、予備知識を与えずに「猫」の画像を識別できるかを確認します。すると最終的には、「犬のように見える猫」「お化けのように見える猫」といった、一見すると猫と判断するのが難しい画像であっても、特徴を見極めることによってかなり高い精度で判定することができるようになりました。

 

この技術を応用することで、鉄塔などのインフラ設備の老朽化や、レントゲンやCT画像から病気の痕跡を検出できるようになるほか、不審者の侵入を監視することも可能です。

 

参考:ICYMI: G Suite in 2019, so far|Google

業務効率化によるコスト削減

画像認識技術には、「人が無意識にやっている判断を機械に行わせる」ことを目的とする側面があります。その理由は、AIに人と同等の判定ができるようになれば、低コストで24時間365日、休みなく管理体制を維持することができるためです。

 

実際に、AIによる画像認識を取り入れることによって、設備の点検コストを削減したり、不良品の検品に割く人員コストを削減したり、といった事例も数多くあります。

 

特に、工場の生産ラインの自動化などは分かりやすい例で、ファクトリー・オートメーションを推し進める上でAIによる画像認識技術は欠かせません。

 

ディープラーニングによるAI画像認識技術の精度向上によって、従来は人の目によるチェックが不可欠だった微細な傷の確認なども無人で済むようになり、なかにはユニクロのように生産から出荷までの完全無人化を実現した例も出てきています。

人よりも高い精度で品質アップ

AIによる画像認識は、すでに人が目視でチェックするよりも高い精度が出せるようになっています。

 

2010年から行われているILSVRC(ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)という画像認識技術を競う大会では、2012年にディープラーニングによる画像認識が登場して一躍注目を集めました。

 

同2012年の時点では15%ほどのエラーがあったものの、それから年々進化して2015年には人間のエラー率である4%を下回ったのです。

 

このことから、現在人の目に頼っている業務をAIによる画像認識へと移行することは、コスト削減につながるだけでなく品質アップにもつながると考えることができるでしょう。

AI画像認識の活用事例6選

AI×画像認識技術の活用事例を6選紹介します。

事例①:24時間体制での送電線の監視・点検

HUAWEIは、AIを搭載したカメラにより、送電線の鉄塔を監視・点検する取り組みに着手しています。高圧電線の総距離は160万km、鉄塔は400万本にも及ぶとのこと。

 

カメラに搭載されたAIが、撮影した画像から劣化部位や異常を検出し、異常が検知されると即座に撮影画像とともにアラートを監視センターに通知します。

 

人が点検を行っていた際は20日間、ドローンを用いた点検では4日間のコストがかかっていた範囲に対して、AI搭載カメラによる監視体制では2時間までコストを削減できたそうです。

 

参考:

サービスのイノベーションで5G 展開を加速|HUAWEI

HuaweiにおけるEdge-AI+IoTの取組|YouTube

事例②:倉庫の検品・出荷を自動化

ai-efficiency09

ユニクロを展開するファーストリテイリングは、倉庫業務に画像認識AIを導入することで、次の業務の効率化・自動化に成功しています。

 

1.RFIDによる検品の自動化
2.商品の入出庫の自動化
3.ピッキング作業の最適化
4.荷物量に応じた配送箱容積の最適化
5.配送仕分けの自動化
6.商品コンテナ片付けの自動化

 

こうした取り組みにより、約100人いた従業員を10人まで省人化できたとのことです。

 

参考:サプライチェーン改革実現に向け、戦略的グローバルパートナーシップを拡大 - ダイフクに加え、MUJIN、Exotec Solutionsとパートナーシップを本日締結|ファーストリテイリングIRニュース

事例③:新型コロナウイルス肺炎の診断支援

富士フイルムは、AI技術を活用した新型コロナウイルス肺炎の診断支援技術開発を開始しました。

 

京都大学と共同開発した間質性肺炎の病変を定量化する技術を応用して、新型コロナウイルス肺炎患者の経過・治療効果の判定などをサポートします。

 

肺炎の進行や治療の効果を確認するためには、1患者あたり数百枚にもおよぶCT画像を読影しなければならず、医師に負担がかかります。そこで、CT画像から病変の状態を識別・分類する画像認識AIを取り入れることで、医療現場の負担軽減を目指します。

 

参考:AI技術を用いた新型コロナウイルス肺炎の診断支援技術開発を開始 | 富士フイルム

事例④:ベーカリーのパン認識レジ

株式会社ブレインの開発した「ベーカリースキャン」は、パン屋でパンを購入する際のレジで活躍する画像認識技術です。

 

ベーカリースキャンでは、あえてディープラーニングを用いず、独自の画像認識技術を開発しました。パン屋では頻繁に新商品が登場するため、それらを十分に学習できるだけのデータを収集するのは現実的ではないと判断したとのことです。

 

ベーカリースキャンを導入したベーカリーでは、スタッフのトレーニング時間が大幅に削減され、レジの処理速度や必要人員も削減できたといいます。

 

参考:トレイ上のパンの種類・値段をカメラで一括識別するシステムです。 画像識別技術をレジ精算に応用する世界初の試みで、 ベーカリーショップのレジ業務に革新をもたらします。|BakeryScan(ベーカリースキャン)

事例⑤:AIドローンによる低農薬農法の実現

オプティムは、AI搭載ドローンを農業に取り入れることにより、農薬散布を自動化しました。

 

画像認識技術により、害虫や虫に食われた葉の位置を特定し、必要な箇所に必要な量の農薬を散布します。

 

農薬散布をAI搭載ドローンに任せるメリットは2つです。1つは、農薬を散布する人手が不要になるため人員コストが削減できます。もう1つは、害虫のいる箇所にピンポイントで散布できるので、本来であれば撒く必要のなかった農薬を削減することにつながるのです。

 

「低農薬」はコスト削減になるだけでなく、農産物の付加価値としても魅力があり、低農薬農法で栽培した農産物は「スマート枝豆」や「スマート米」として、一般的な農産物よりも高値で取引されています。

 

参考:

スマート米|オプティム

ピンポイント農薬散布テクノロジーを用いた「丹波黒 大豆・枝豆」の栽培に成功、2018年10月17日から高島屋で販売|オプティム

事例⑥:撮影した花の名前を答える

千葉工業大学の人工知能・ソフトウェアの研究プロジェクトでは、スマートフォンのカメラで撮影した花の名前を教えてくれるAI搭載アプリ「ハナノナ」を開発しました。

 

画像データベースImageNetに登録のある花の画像に加えて、インターネット上で直接集めた花の画像を合わせて35万枚用意したところ、770種の花の判定が可能になったとのこと。

 

アプリには、表示する花の候補を手動で調節する機能があり、確率の高い候補のみに絞るなどの使い方も可能です。調節することでより可能性の低い候補を表示することもできます。

 

参考:Hananona – Flower Recognition Service